クラシック音楽の基礎知識

「ドレミはイタリア語」って知ってた?音名のいろいろな表し方

ドレミはイタリア語

音の名前にはいろいろな表し方がありますが、私たちが一番慣れ親しんでいる「ドレミファソラシド」は、実はイタリア語が元になっています。

今回は、

  • ドレミファソラシドの由来
  • いろいろな音名の表し方
  • 音楽用語にイタリア語が用いられる理由
について説明します。

 

『ドレミファソラシド』の由来

その昔、音には名前がありませんでした。ある音から次に高い同じ音までを1オクターヴと言いますが、最初は、1オクターヴの中に7つの音が組み込むという音階の考え方からはじまります。

しかし、それはレから始まるものだったり、ソから始まるものだったりと、統一されていませんでした。

人は、ただ歌うことで、音を他の人に伝えていたのです。

そんな11世紀頃、イタリアのグイード・ダレッツィオという修行僧が、バプテスマのヨハネ賛歌という讃美歌のフレーズに着目します。それがこちらです。

音名の元となったヨハネ賛歌の歌詞

音名の元となったヨハネ賛歌の歌詞

各フレーズの頭文字が、「Ut、Re、Mi、Fa、So、La‥」と、ドレミファに似た形になっているのが分かりますか?

グイードは、フレーズの頭文字から音階の呼び名を発案します。これが、現在のドレミファソラシドの始まりです。

※なお「Ut」は、イタリア人にとって発音しにくいという理由から、後に『支配者、主』を示す「Dominus」の始めの文字「Do」へと変更されました。

 

日本語、ドイツ語、英語による音名の表し方

イタリア語のドレミは世界中で用いられていますが、国によって独自の音の呼び名があります。

ここでは、日本語、ドイツ語、英語による音名の表し方について見ていきましょう。これから音楽を学ぶ方は知っておくと役に立ちます。

和名

ドレミ音名を和名で記したもの

日本語では、ドレミファソラシを「ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ」で表します。

ピアノ教室や歌を音名で歌うときは「ドレミファソラシド」の音名を使う事が多いのですが、曲のイメージを表す調には、和名が使われます。(例:ハ長調やト短調など)

音の高さが半音上がる場合は、その音名に「嬰(えい)」を、半音下がる場合は「変(へん)」を付けます。

ドイツ語

ドレミ(ドイツ語)

ドイツ語では、

C「ツェー」、D「デー」、E「エー」、F「エフ」、G「ゲー」、A「アー」、H「ハー」

と読みます。

音の高さが半音上がる場合は、「is」を、半音下がる場合は「es」を付けます。ただし、「シ」が半音下がった「シ♭」の音は「B(ベー)」で表します。

クラシック音楽を学ぶ方や演奏する方は必ず使用するので、ぜひ覚えましょう。

 

英語

音名を英語で記したもの

C(シー)・D(ディー)・E(イー)・F(エフ)・G(ジー)・A(エー)・B(ビー)

と読みます。

ギターなどを演奏される方、コードを用いる方には馴染みやすいアルファベット表記ですね。シの音がドイツがHなのに対して、英語では「B」なのでちょっと注意が必要です。

半音上がったり、下がったりするときもそのままシャープ(♯)、フラット(♭)を付け加えればよいだけなので、ドイツ語よりも覚えやすいでしょう。

 

楽語にイタリア語が使われるのはなぜ?

再度、話をイタリア語に戻しましょう。

イタリア語は、ドレミのほかにも、楽譜に記載されるような「楽語」(音楽用語)に使われることが多いです。

例えば、曲の表現の仕方を指示した発想記号 「appassionato(熱情的に)」「cantabile(歌うように)」「dolce(柔らかく)」などは全てイタリア語です。

また、音の強弱を表す「クレッシェンド(だんだん強く)」「ピアノ(弱く)」などの強弱記号や、曲の速度を表す「largo(ゆっくりと)」「andante(歩くような速度で)」も全てイタリア語です。

 

楽語にイタリア語が用いられる理由

なぜ楽語にイタリア語が使用されているのか、それは、西洋クラシック音楽の始まりが、教会で歌われる聖歌であることに起因します。

中世・ルネサンス時代といわれる5~16世紀頃、音楽は、教会で発展していきました。

カトリック教会を統率するローマ教皇庁がイタリアにあったことも関係し、18世紀頃まではヨーロッパ音楽の中心地はイタリアだったのです。

曲のイメージや奏法を表す用語が楽譜に示され、普及していったのは17世紀~18世紀。この時期に広く使われたイタリアの楽語がヨーロッパ各地に普及し、現在に至るまで親しまれています。

音楽の表現方法を勉強するときは、楽語の日本語訳を参照するよりもイタリア語の本来の意味を調べた方が、曲のより深い理解につながりますよ。
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19世紀にはドイツ語やフランス語による楽語も

音楽の中心地がドイツの移っていった19世紀以降は、イタリア語の楽語が深く定着されていく一方で、ドイツ語やフランス語など、音楽家の自国語による楽語も使われるようになります。

ベートーヴェンが19世紀の始めに作ったピアノソナタには、ドイツ語による奏法の指示があり、その動きを伺い知ることができます。

 

今日の一曲

ミュージカル「サウンドオブミュージック」より「ドレミの歌」

私たちが小さな頃から慣れ親しんでいる「ドレミの歌」(「ドーはドーナツのド~♪」で始まるあの歌)は、1959年に初演されたミュージカル『サウンドオブミュージック』で歌われた音楽です。

『サウンドオブミュージック』は、第二次世界大戦前のザルツブルクを舞台にした作品。ナチスの侵略が迫る中、スイスに亡命をはかることになるトラップファミリー合唱団の物語を描いています。

劇中に歌われるドレミの歌の歌詞はこちらです。

ドレミの歌英語歌詞

各フレーズの頭文字が「ドレミファソラシド」で綴られています。ドレミというイタリア語音名の元となった聖ヨハネ賛歌に倣って作詞されたのか気になるところです。

私は、このミュージカルの映画バージョンを、高校の音楽の授業で観ました。「エーデルワイス」や「私のお気に入り」など、他の名曲も素晴らしいのですが、ドレミの歌の英語の歌詞は今でも覚えているほど気に入った曲です。

家族で楽しめる映画で、歴史の勉強にもなります。
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ぜひ聴いてみてくださいね。

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