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ショパンのノクターン第2番の難易度は?美しく奏でるポイントを解説

ショパンノクターン第2番

一度は誰しも耳にしたことがあるショパンのノクターン第2番。甘く美しいメロディが特徴で、映画やドラマでもよく使用されていますね。今回はノクターンというジャンルについて、またノクターン第2番の弾き方のポイントについて解説します。

ノクターン(夜想曲)とは

ノクターンといえば、まずショパンを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、ノクターン(夜想曲)は、ショパンと同じ時代に活躍したアイルランドのピアニスト兼作曲家「ジョン・フィールド」が作ったジャンルです。

ショパンはフィールドの作品に感銘を受け、全21曲のノクターンを作曲しました。また、ショパンのほかにも、リスト、フォーレ、サティ、プーランクなどの作曲家がノクターンを作っています。

 

ノクターン第2番はどんな時代に作られたか

ショパンがノクターン第2番を作曲したのは、1830~1831年頃です。この前の年に、ショパンはウィーンからパリに移り生活するようになりました。

リストやメンデルスゾーン、ベルリオーズなど著名な音楽家と出会い、サロンでも大変人気者だったショパン。ノクターン第2番が生まれたのはショパンにとっても華やかな時代だったように思われます。しかし、この頃ショパンの母国ポーランドは、ロシア帝国の支配に対して武装反乱を起こし、大変な状況でした。ロシアに武力で鎮圧されるという結果に、ショパンはひどく悲しんだともいわれています。

1832年にノクターン第2番は『3つのノクターン 作品9』の一部として出版され、楽譜はピアノ製造をしていたカミーユ・プレイエルの夫人マリーに献呈されました。ショパンは、カミーユ・プレイエルと親しい間柄で、プレイエル製のピアノを愛用していたことでも知られていますね。

 

ノクターン第2番 の難易度は?

ノクターン第2番は、全音ピアノピースによる難易度判定は、A~Fの6段階のうち、E(上級)判定になっています。

ただ、ショパンが作曲したノクターンの中では、ノクターン第2番の難易度は比較的やさしいと言えるでしょう。私はノクターンの中で最初にこの曲に取り組みました。第1番から取り組む方も多いのではないかと思います。同じ作品9でも第3番になると、少しややこしくなります。

主題のメロディの繰り返しが多く、ゆったりとしたテンポなので、一通り譜読みをして音を捉え、間違えずに弾けるようになるまでという目的ならば、大人になってピアノを始めた方でも十分にトライできる曲です。

一方、大変人気でポピュラーな曲であるがため、「聴かせる」演奏をするレベルまで磨き上げるのは、やはり難しいですね。

 

ショパン作曲「ノクターン第2番 変ホ長調(OP.9-2)」の弾き方

ノクターン第2番を演奏する際に気をつけたいポイントを解説します。実際に私が実践したことやレッスンで指摘されたことをまとめてみました。もちろんこの弾き方は一例ですが、練習の参考になれば幸いです。

演奏のポイント 右手メロディ編

この曲は、最初に現れる変ホ長調の主題メロディが、形を変えたり装飾が取り込まれたりしながら、何度も繰り返されるロンド形式です。右手のメロディは技術的にそれほど困難なところはありません。歌いながら丁寧にメロディを響かせるのに全力を注ぎましょう。

 

華やかな部分は慌てずに

ショパンノクターン第2番

主題のメロディに華やかさをプラスする部分は、慌てずに落ち着いて弾くことがポイントです。ショパンらしさを表すフレーズなので、味わいながら弾いてみましょう。

 

音が飛躍するところは丁寧に、気持ちも大きく飛躍して

ショパンノクターン第2番

メロディの中で音が高音部へ飛躍する部分は、豊かな音を出すために気持ちも大きく飛躍するような感じで弾きましょう。最短距離で直線的に腕を動かしてしまうと、音も硬くなってしまいがち。弧を描くように腕を動かす感じでゆったりと歌いながら弾いてみてくださいね。

指使いに注意

ショパンノクターン第2番

ショパンは手の指の使い方にとてもこだわった人です。例えば上の箇所のように示された指使いは、他の指を使う事もできるはず。しかしそこを敢えて力の入りにくい小指や薬指を指定しているのは、その指で弾くことによって出される音の質にこだわりがあるから。指使いの指示にも忠実に弾きましょう。

 

最後の繰り返し音型は流れるように

ショパンノクターン第2番

曲の最終部に出てくる、カデンツァ(繰り返し音型)の部分は止まらずにきれいに弾けるようによく練習しましょう。何も考えずに弾くと繰り返す回数が分からなくなってしまうので、「4個のまとまりを3回弾く」というイメージで弾くといいですね。

 

演奏のポイント 左手伴奏編

さて、次は左手の伴奏部分における注意点です。

低音部を響かせて

ショパンノクターン第2番

左手の伴奏は、最初に低音部(ベースの音)があって、第1の和音⇒第2の和音と続きます。まず、ベースの音を響かせて、続く和音はやさしく控えめに。重要度は次のとおりです。くれぐれも第2の和音がばーんと出てこないように気をつけます。

響きの強さ ベースの音>第1の和音>第2の和音

左手の和声はなかなか複雑で、一度間違えて音を覚えてしまうと自分では気づかずにそのまま弾いてしまっていたりします。レッスンに通っている場合は先生から指摘してもらえますが、独学の方はプロの演奏をCDで聴くなどして、音が間違っていないか確認しておく方がいいですね。耳を鍛える練習にもなります。

 

和音がバラバラにならないように練習する

ベースの音から第1の和音に向かうときに、大きく飛躍する部分があるので、きちんと指で音を捉えられるように、左手の練習をしっかりと行いましょう。それから、和音は音がバラバラにならないように細心の注意を払います。ゆったりとした静かな部分は和音がズレると結構目立ちます。

 

メロディを響かせるテクニック

両手で滑らかに弾けるようになったら、いかにメロディを美しく響かせるかが重要です。

ひとつご紹介したいテクニックは、次のような主題の冒頭部分において、右手の音と左手の音を出すタイミングをほんの少しだけずらすというものです。

ショパンノクターン第2番

右手のメロディ音をほんの少し遅らせてのびやかに音を出すことで、メロディの大切な音が左手のベースの音にかき消されずに、クリアに表現することができます。

また、この曲は、主題のメロディが形を変えて何度か示されますが、形は変わるものの基本となるメロディは同じです。テンポや強弱、音質を微妙に変えながら、聴き手を飽きさせないような演奏を目指したいですね。

 

ノクターン第2番の楽譜

ノクターン第2番は非常に有名な曲なので、楽譜の種類は非常に多くあります。この1曲だけ取り組みたい方は、全音のピアノピースを利用することができます。またペトルッチ楽譜ライブラリー(IMSLP)から無料楽譜をダウンロードすることも可能です。

他のノクターンも演奏する方には、ノクターン集を購入するのがおすすめです。ちなみに私はパデレフスキー版のノクターン集を使用していますが、見やすく気に入っています。

原曲で弾くのは少し難しそうと感じる場合は、初心者用にアレンジされた楽譜を利用するのも一つの方法です。編曲バージョンも多く出版されているので、ぜひ探してみてくださいね。素敵な曲なので、いろいろな人に演奏してもらってショパンのノクターンの美しさを味わってほしいと思います。

 

ノクターン第2番が使われた映画やドラマ

ノクターン第2番は、いろいろな映画やドラマのテーマ曲、挿入歌として用いられていますね。ドラマ「ロングバケーション」の挿入歌に使われたり、また、フィギュアスケートの浅田真央選手が2つのシーズンにおいてショートプログラムで採用した曲でもあります。

私がこの曲を知ったのは、母が大好きだった曲だからでした。母は、アメリカの映画「愛情物語」を見て、ノクターン第2番を知り好きになったそうです。愛情物語は私も観ましたが、美しく悲しいストーリーに、このショパンの音楽が非常に合っていました。ラストシーンの2台ピアノによる演奏は本当に心打たれるものがあります。

古い映画ですが興味のある方は観てみてくださいね。

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