バロック音楽の特徴とは?バロック時代に活躍した作曲家と代表的作品

バロック音楽は、1600年から1750年の時代の音楽です。バロック時代は、イタリア・フィレンツェで生まれた劇音楽(オペラ)によって始まりました。

今回は、

  • バロック時代に生まれた音楽の特徴
  • バロック時代に活躍した作曲家と作品

について、ご紹介します。

 

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そもそも『バロック』とは?

『バロック』という言葉は「いびつな真珠」という意味を持ちます。

もともとは、美術作品の評価するための言葉で、作品における過剰な表現を批判するために用いられました。

バロック音楽とは、王の権威や都市の栄光を顕示するために用いられた音楽で、フランス国王ルイ14世の宮廷音楽が代表的なものでしょう。

 

バロック時代で誕生・発展した音楽の特徴

バロック時代では、次のような音楽ジャンル、演奏の様式が生まれ、広く発展していきます。

  • オペラ
  • オーケストラ
  • 協奏曲

誰もが一度は耳にしたことのある言葉だと思いますが、どんな特徴があるのか見ていきましょう。

 

オペラ

オペラは、16世紀末から古代ギリシャで続けられていた音楽の研究をもとに、イタリアで生まれました。

まず、ひとりの歌手が語りと歌の中間のような旋律を歌う方法「モノディ」が考案されます。

モノディは歌詞が聴き手に伝わりやすいと考えられ、その方法を用いてオペラが作曲されました。

劇と音楽が融合され、豊かな表現力を持つオペラは、ヨーロッパ中に広まり音楽の中心となっていきます。

なかでも傑作といわれているのが、モンテヴェルディの「オルフェオ」です。

単調になりやすいモノディの声楽に加え、オーケストラや器楽合奏など多彩な様式で構成されています。

「オルフェオ」は、亡くなった妻を取り戻すために冥界に赴くというオルフェスの物語です。

 

オーケストラ

モンテヴェルディの「オルフェオ」に組み込まれることによって生まれたオーケストラ。

今日のオーケストラは、一般に弦楽器、管楽器、打楽器などで構成される100人程度の団体ですね。

でも、この時代のオーケストラは、今の構成とかなり異なり、弦楽器、管楽器のほか、チェンバロ、オルガン、ハープ、またキタローネなどの低音の伴奏楽器が含まれていたのが特徴です。

オーケストラは、ヴァイオリン属の楽器の普及に伴い、弦楽器を中心とした編成に移り、その後、弦楽器と管楽器を基本とした編成に定着していきます。

 

18世紀後半、ヘンデルやモーツァルトが交響曲を書くようになり、オーケストラはオペラから自立することになります。

 

協奏曲

協奏曲とは、オーケストラをバックにして、独奏する楽器が活躍する楽曲の形態を言います。協奏曲は、バロック時代に盛んに演奏されました。

バロック時代では「異なるもの同士を対比する」音楽が生まれました。

独奏楽器とオーケストラとの対比というかたちで、音楽的に楽曲として表されたのが協奏曲です。独奏楽器はヴァイオリンやフルート、オーボエなどが一般的です。

 

協奏曲を確立したヴィヴァルディ

協奏曲という分野を確立したといわれるのが、イタリア・ヴェネチア出身のヴィヴァルディです。ヴィヴァルディが作曲したヴァイオリン協奏曲「四季」は有名ですね。

「四季」は、4つのヴァイオリン協奏曲を集めたものです。それぞれ3つの楽章から構成され、春夏秋冬という表題がついているため「四季」と呼ばれています。

 

特に有名なのが、第1曲の「春」です。かつて中学校の音楽の教科書において鑑賞用の教材として掲載されていたので、耳にしたことがある方も多いでしょう。

 

バロック時代ではバッハやヘンデルなどの作曲家も活躍

ヴィヴァルディのほかにも、バッハやヘンデルなど、後に偉大な作曲家と呼ばれる人たちがバロック時代に活躍しました。

音楽の父「バッハ」


1685年にドイツで生まれたヨハン・セバスティアン・バッハは、バロック時代を代表する作曲家です。当時の作曲家は、教会のミサ曲や宮廷の貴族ための音楽を提供することが仕事で、いわば職人のような存在でした。

バッハは生涯の中で、オペラを除くすべてのジャンルの作品を残しました。特に多かったのは、カンタータや受難曲などの宗教曲といわれるものです。

 

バッハの「カンタータ」と「受難曲」

「カンタータ」とは、多楽章から成る声楽曲で、教会での礼拝の際に用いられていました。

バッハは、ライプツィヒで働いていた時代、毎週1曲カンタータを作っていたそうです。残っているのは約200曲ですが、実際に作ったのは300曲にもなると伝えられています。

また、ルター派の教会音楽として作られたのが「受難曲」新約聖書の福音書(イエス・キリストの言行録)に記されたイエスの受難の物語に曲をつけたものです。

 

バッハの代表的な宗教曲

カンタータ第147番
ヨハネ受難曲
マタイ受難曲
クリスマス・オラトリオ
ミサ曲・ロ短調

バッハの器楽曲

鍵盤楽器の名手でもあったバッハは、宗教曲以外にも鍵盤楽器をはじめとした多くの器楽曲を作りました。

チェンバロやオルガン作品のほか、管弦楽組曲やブランデンブルク協奏曲など様々なジャンルの器楽曲が今でも親しまれています。

バッハの代表的な器楽曲

トッカータとフーガ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
管弦楽組曲第3番

「私はピアノを弾くので、バッハ作品ならば、宗教音楽よりも鍵盤楽器の器楽曲の方に親しみを感じます。バッハの曲は多すぎて紹介するのも難しいですね‥。

 

イギリスで活躍した「ヘンデル」


ヘンデルは、バッハと同じ年に生まれたドイツの作曲家です。しかし、生涯ドイツ語圏の地域で活動したバッハとは対照的に、ヘンデルはドイツからイギリスに渡り国際的に活躍しました。

ヘンデルが活動したイギリスでは、当時オペラや演奏会などが盛んに行われていました。ヘンデルは「リナルド」などのオペラを作曲し、人気を得ます。

その後、イギリスでは音楽を楽しむ人々が王侯貴族から中産階級に移り、イタリア語のオペラよりも英語によるオラトリオが好まれるようになりました。

 

オラトリオ

独唱・合唱・オーケストラを用いた宗教的内容を扱う大規模な声楽曲。演技の要素はないため、オペラとは異なります。

 

それを受け、ヘンデルはオペラからオラトリオに転換して創作を行い、数多くのオラトリオや器楽曲を作曲します。「ハレルヤ・コーラス」で有名なオラトリオ「メサイヤ」は、ヘンデルの代表的な名曲です。

 

ヘンデルの代表的な作品

オラトリオ「メサイヤ」
水上の音楽
王宮の花火の音楽
オルガン協奏曲

 

ヨハン・セバスティアン・バッハ マタイ受難曲

マタイによる福音書をもとにして作られた「マタイ受難曲」。バッハは3年以上もの歳月をかけたと言います。

受難というつらい出来事を扱う音楽のため、全体的に暗い印象ですが、その中にも美しく光が差し込み、柔らかい希望の感情を引き起こしてくれるのがこの曲の魅力です。

全曲続けて聴くと2~3時間にわたる超大作。

でも、「キリスト教ではないから理解できないかも」といった先入観によって敬遠せず、単にバッハが作った美しい曲といった感じで気楽に聴いてみて欲しいと思います。

気に入った曲だけピックアップしてもいいですしね。


ぜひ、聴いてみてくださいね。

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